「今日の夕食は何?」「お腹がペコペコだよ」「今スーパーに買い物に行ったところよ、家に食べるものが何もなかったから」
聞き覚えがありますか?深く考えることもなく発せられる言葉で、ありふれた言い回しです。実のところは、1日3食のうち最初の食事である朝食について、選択肢がたくさんある人が多数派でしょう。「お腹がペコペコだよ」は、「ここ数時間は何も食べていない」という意味です。自宅にはたまたま、今夜食べる栄養満点の夕食を作れるだけの食料品が十分にはそろっていない人がいるかもしれませんが、近くの店の冷蔵庫や食料庫には食料品が一杯に詰まっていると、誰もが答えるでしょう。これらは、良い現実です。
一方で、次のようなつらい現実に直面している人もいます。「今日の夕食は何?」というのは、 「今日は夕食があるの? 何か食べるものがあるの?」という意味です。また、「お腹がペコペコだよ」は、文字どおり、その人はそういう状態にあるという意味です。私は飢えています。お腹がペコペコです。もしかしたらこのまま死んでしまうかもしれません。
考えさせられる事実
「Food for thought」(直訳すると「思考のための食物」ここから、「考えさせられる材料」「心の糧」などの意味で使われる)は、英語の慣用句です。この表現の定義は次の通りです。真剣に検討することを当然のこととするもの。
飢え。これはまさに「考えさせられる事実」です。
ここ数年の状況を示す数字を、以下に示します。
- 2015年: 国際連合の報告によると、慢性的な飢えに苦しむ人の数は7億7700万人に上ります。
- 2016年: 飢えに苦しむ人の数は8億1500万人に増えました。世界の人口の11%が慢性的に空腹状態にあるということです。
- 2018年: 飢餓の問題に取り組んでいる団体「World Hunger Education Service」の調査によると、8億2100万人の人々が飢えに苦しんでいます。
「キャンペーン100: LCIF 奉仕に力を。」を通じて、ライオンズは全世界で食糧問題の解決を目指しています。
ただし、数字を読み解く際には注意が必要です。数値が増加傾向にある場合、進歩を示していることが珍しくないからです。例えばあなたの家の価格などがそうです。また、孫の数が増えた場合も同様です。さらには、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)がかつてないほどの意気込みで展開中の資金獲得活動である「キャンペーン100:LCIF 奉仕に力を。」に参加するライオンズの人数が増えている、という場合も当てはまります。
しかし、慢性的な飢餓からもたらされる苦痛、病気、脱水症状などに苦しむ人の数が増え続けているという傾向は、進歩とはほど遠いものです。では、全世界で見ると人口全体をまかなえるだけの十分な食料を生産しているにもかかわらず、世界各地で今なお飢餓の問題が解決できないままの状態が続いているのはなぜでしょう。
政情不安。食料価格や光熱費の上昇。景気の後退。気候変動。こうした要因は全て考慮されています。次のような悲しい真実があります。飢えは今なお、特に子供たちにとっては、世界的に最も深刻で差し迫った課題となっています。
そこでライオンズは、資金やプロジェクト展開の面でLCIFからの支援を受けながら、飢餓を主要課題の1つとして位置づけ、そこから広がる悪影響を最小限にとどめることを目指し、日々努力を重ねています。
成功へのレシビ
キャンペーン100の「奉仕に力を」資金への寄付により、飢餓に焦点を当てたライオンズのプロジェクトは財政面での支援が得られ、状況を改善する明るい方向への変化を起こしやすくなります。ライオンズからの資金提供と、世界中の150万人近くのライオンズの献身的な奉仕が結びつくことで、ライオンズのパートナーと、世界的な飢餓を憂慮するその他の関係者も、誰も飢えることのない世界の実現に一歩ずつ近づく私たちを後押ししてくれます。住む場所は問いません。あらゆる人が対象です。成功へのレシピの一環となることを願い、LCIFが問題の解決策として計画している援助の具体的な方策は以下の通りです。
- 既存のフードバンク、給食支援センター、食品流通施設の能力を向上させるための、インフラと物流システムに対する投資
- これまでにない、フードバンクの新たなシステムの創出に対する支援
- 食料や食事を輸送・収集・配送する車両の確保の支援
- 腐敗しやすい食料品を貯蔵できる業務用の大型冷凍庫・冷蔵庫の提供による支援
- 給食支援センターにストーブやオーブンなど、その場で提供したり配送したりする食事の調理に必要な台所用品を整備
以上が私たちの計画です。
過去の経験を生かす
飢餓問題の解決策は進歩を続けており、これに対してライオンズが貢献していることは間違いありません。ただし、食料不足の課題に向き合い、地域の中で、そして世界各地で飢えている人に食料を提供するのに必要なインフラを整えるのは、並大抵のことではありません。
先述の通りの投資、創出、確保、提供、整備を効果的および効率的に進めて、飢餓対策の計画を確実に実行するために、LCIFは資金獲得と専門知識の取得に関して、奉仕活動開始直後の50年間に得た教訓を生かします。
ボランティアリーダー、アドバイザー、スタッフの献身的な努力に支えられ、ライオンズは世界各地で、LCIFから提供された資金を基に、1人の子供、1つの世帯、1つの村の問題に集中して取り組み、飢餓をそこで終わらせることを目指して奉仕に当たります。
飢餓問題の解決に、あなたもぜひご協力ください。
将来への糧
もしあなたが幸運にも、豊富な食料品や充実した調理器具にすぐに触れられる場合、また、家族や友人で、生命をつなぐのに十分なごちそうがあふれんばかりの食卓を囲むことが少なくない場合、そのことに感謝してください。あなたがライオンであるならば、あなたが奉仕に携わって先述の方策を進めるに当たってはLCIFから支給された資金が大いに貢献していますが、他の人たちにもこのようなぜいたくをいつの日か味わってもらうことを目指していると心得てください。
- 所属クラブや地区の会議に地元のフードバンクの代表者を招き、講演を行ってもらう。彼らの話から、飢餓の撲滅に参考になる専門知識や革新的な手法を必ず学ぶことができるでしょう。
- ライオンズクラブ国際協会のウェビナー「食料支援への協力」を受講し、 フードバンクを運営しているパートナーのアイデアやベストプラクティスに関する理解を深める。この1時間足らずのウェビナーはもともと、ヨーロッパ、香港、インド、イスラエル、シンガポール、南アフリカのライオンズ向けに開発されたものですが、貴重な情報や、地域で給食や無料食堂を展開している事業者、レストラン、学校、高齢者センターなどと効果的に連携するためのヒントが収録されています。
- 地域の人々で運営する野菜栽培の菜園を開設し(この時のライオンズの働きに関する感動的なストーリーはこちらをご覧ください)、地元住民が自らの食料を育てるのを支援する。あなたが暮らす地域の気候がもともと植物栽培に適しているとは限らないかもしれませんが、地域の方針の確定、栽培計画の立案、作物の種子の発注などに関しては、着手して早すぎることはありません。
- 地域の学校と協力し、恵まれない 子供たちのために栄養価の高い朝食を提供する計画を立てる。国際連合世界食糧計画(WFP)によると、幼稚園児から中学校の生徒までの年齢の子供たちのうち、世界で約3億6800万人が毎日学校で給食を取っています。学校が休みの期間は、どうなるのでしょう。子供たちのお腹と脳に十分な栄養を与える、そうしたプログラムに、国家政府が資金を投入していない国に住む子供たちはどうなるでしょう。
毎晩、8億を超える人々が空腹のまま床に就きます。飢餓の終結を少しでも早めるため、毎週2ドル、年間100ドルの寄付を検討してください。キャンペーン100の「奉仕に力を」資金への寄付は今すぐここから行えます。皆様からの寄付は全額、飢えに苦しむ人々が生命を維持するための食料の提供に活用されます。この活動で多くの人が明日への希望をつないでいます。
これまで100年以上、ライオンズは団結して奉仕に携わり、そのグローバルな財団からの支援を受けて、数百万人の人々の人生を変えてきました。LCIF史上最大の労力を注いで展開中の資金獲得活動に当たり、私たちは改めて、#BE100(活動100周年、各会員100ドル・100%参加)を誇りに思います。こちら(lcif.org/BE100)から、キャンペーン100: LCIF 奉仕に力を。がどのように希望をかなえ、自分の住む地域で、また世界各地で起こっている食料不足に向き合うのに必要な資源やインフラを拡大することで、誰も飢えることのない世界の実現を目指すライオンズの働きを支援するかについてご覧ください。
カリン・ラーナーは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のシニアコンテンツスペシャリストです。