どんなアーティストにも当てはまることですが、彼らが作品で描くのは、目で見たものではなく、彼らの心の目に映ったものです。特に子供たちの作品では、そう言えます。
ライオンズクラブ国際協会は、全世界の子供たちを対象とした平和ポスター・コンテストのスポンサーとなり、子供たちが考えた平和のイメージを作品として描く機会を設けることを継続して今年で31年になります。各地域のライオンズクラブが、近隣の学校や青少年のグループにおいて、このコンテストのスポンサーとなります。
今年の同コンテストには60カ国から60万人以上が参加し、テーマは「思いやりは、大切なこと」でした。そして大賞を受賞したのは、台湾の13歳、林奕志（リン・イーチー）君です。中国 台湾（台湾）の新北市にある永和獅子會（ユンホー・ライオンズクラブ）がスポンサーとなったコンテストに彼は参加していました。
支援と希望のイメージ
林君の見事な作品のタイトルは「一人ひとりの愛と親切心が集まれば苦しむ人たちを助けられる」です。作品の構図は、両手が金色のハートを優しく包み込んでいて、その指の間から米などの穀物がこぼれ落ち、手の下に描かれた、飢えに苦しむ人々の上に降り注ぐというものです。人々は、上方にある両手のほうへ、自分たちの両腕を力いっぱい伸ばしています。両手は人々の苦しみを和らげる希望です。作品の背景はさまざまな色に塗られていて、世界的に平和の象徴となっている大きなハトが最上部に描かれています。そのハトは、貧しく傷ついている世界の人々を包み込むように、その羽根をどこまでも伸ばしています。
林君は次のように話してくれました。「僕は2年生の頃に絵を習い始めました。絵にするのが難しいことを描くのが、僕には楽しいです。作品を完成させたときの達成感が大きいからです。絵の教室に通い始めたときに、このコンテストのことを教えてくださった楊（ヤン）先生に、本当に感謝しています。僕が受賞したなんて信じられません。すごく嬉しいです。ライオンズクラブ国際協会の皆さんは、ポスターを描くという素晴らしい機会を作ってくださった上にこんな賞までくださいました。ありがとうございます。1人でも多くの人が僕の絵を見て、平和についてより深く考えるようになってくれればいいなと思います。僕自身も、もっと考えていきます」
思いやりの世界を想像する子供たちを応援
11～13歳の子供たちを参加対象としている、この平和ポスター・コンテストは、子供たちがその才能を国際的な場で披露し、大賞を目指して互いに競い合う機会を提供するものです。大賞受賞者には5,000米ドルを授与するとともに、受賞者と2人の家族員に対して、特別授賞式に出席するための旅費を支給します。大賞以外では、23人に対して優秀賞が贈られ、受賞者には賞状と現金500米ドルが授与されます。受賞者全員の作品は、ライオン誌やライオンズクラブ国際協会のウェブサイトに掲載されるとともに、今年7月にイタリアのミラノで開催される年次国際大会でも紹介されます。
「今年のコンテストのテーマで言及されている『思いやり』は、自国の人々に対してだけではなく、世界中の人々に対して行うべきものです」と、新北市永和獅子會のジョニー・ウォン会長は話します。「このイベントの主目標は、たくさんの先生や生徒と話すことを通して、世界平和を推進することです」
新北市立福和（フーフー）國民中學は、林君の大賞受賞を受けて、表彰式を行いました。「当校はこの平和ポスター・コンテストに20年以上前から参加しています」と、同校の（ファン・シャオロン）校長は話します。「生徒全員が芸術面の才能を伸ばし、各人の生活の中でその才能を生かしていくことを、私たちは望んでいます。お酔いやりというテーマは完璧です。当校の生徒には愛と希望を待ち望む心を持ちながら成長してほしいと願っているからです。当校はライオンズクラブと密接な関係を継続しています。ライオンズクラブは非常に重要な組織で、生徒たちの教育、成長、育成に随分前から配慮してくれています」
300-B2地区の慈馨（ツーシン）獅子會に所属するライオン、チアチュン・ヤンは、中学校での表彰式に出席し、まだ若い大賞受賞者をサポートしました。平和ポスター・コンテストは生徒や一般の人々にライオンズクラブの認知を広げる機会となっていると、彼は考えます。地域において我々のクラブの存在感を高めるのに役立つので、より多くの人々に対して奉仕する機会を得ることにつながります」とヤンは付け加えます。「世界には争いや貧困に苦しむ場所が多数存在し、そこにいる人々は我々の助けを必要としていることを、子供たちによりよく理解してもらうための活動がしたいのです。このポスター・コンテストの芸術表現が人々の心を動かします」
ライオンズクラブは世界平和への道を開く
ライオンズクラブが、平和ポスター・コンテストのスポンサーを務めることには、正当な理由がいくつもあります。コンテストは子供たちの自尊心を高め、自分自身で思いついたアイデアの大切さを子供たちが知る機会となります。また、ライオンズクラブが平和を推進する機会を提供すると同時に、地域においてのクラブの存在感を高めます。何より大切なのは、子供たちに対して、そして大人たちにも、未来への希望を持つ機会になるということです。
紛争と不確実さに満ちたこの世界では、思いやり、平和、愛の必要性がこれまで以上に高まっています。こうしたことを絵で表現する役目を負う人として、子供たちよりもふさわしい人がいるでしょうか。若者たちが思い描いた思いやりや平和を世界中の人が心の目で見て、それらの大切さに気づくきっかけになればいいと、私たちは考えています。
あなたのライオンズクラブが平和ポスター・コンテストのスポンサーとなり、世界平和の実現に向けてさらに前進する方法の詳細については、こちらをご覧ください。
ABC 所属のマドレーン・ミラーは、ライオンズクラブ国際協会の戦略的広報上級スペシャリストです。
