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グローバル・アクション

ネパールの持続的成長を支える秘策

Sunayna Mahtani 2020 年 11 月 25 日
ネパールのアチャーム郡という地方に住む生徒のために図書館を開設するカトマンズ・ドクターズ・ライオンズクラブ。

世界で最も速い成長を遂げているネパールの複合地区は、2020年10月13日現在140以上のクラブを結成しており、これは全複合地区の中で最も高い数字となっています。その成長は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの中でも衰えを見せることはありません。それどころか、ここ10年間ネパールの会員数は一貫して増え続けているのです。

ネパールで成功している戦略には以下が挙げられます。

  1. ソーシャルメディアの活用とブランド戦略 – Sanjay Khetan元国際理事にライオンズの知名度を高める上でのソーシャルメディアの役割について尋ねた時、彼は「我々の奉仕活動を一般の人々につなぐ方法を私達は知っています」と答えました。また彼は、ネパールのライオンズクラブが市民の達成した目覚ましい功績を認めて称えるための公開イベントを企画・開催しているということも話してくれました。このような公開イベントの一つでは、多岐にわたる分野(すべて非ライオンズ関連)の100人の人々がその功績をライオンズクラブから表彰されました。およそ1万人の参加者を集めたこのイベントは、ライオンズクラブのブランドイメージを高める上で非常に効果的なものであることが立証されました。
     

    人生にはエネルギーに満ちあふれた時期と静かな時期がある。ネパールにエネルギーが満ちあふれるのは、7月から4月である。

    クラブの活動に対する認知度を高める上で効果を上げたもう一つの戦略は、ソーシャルメディアの活用です。会員は自分達のソーシャルメディアのページ上で、所属クラブで今後予定されている奉仕プロジェクトへの参加の呼びかけを共有しています。これによってクラブの認知度が上がっただけでなく、それまで自分の地域コミュニティでの奉仕活動の機会を探していた人々に、クラブの奉仕プロジェクトへの誘いの声をかける場ができたのです。

  2. スペシャルティクラブの結成 – 本会計年度の第1四半期に80以上のスペシャルティクラブを結成したネパールのライオンズクラブは、地域内で同じ職業や共通の関心を持つ人々の注目を浴び続けています。

    私たちは、ネパールのカトマンズ・ドクターズ・ライオンズクラブの初代幹事で、2019年ミスター・ネパールにも輝いた経験のあるSantosh Upadhyaya医師に話を聞きました。ライオンになろうと思ったきっかけは何かと尋ねると、「ライオンズクラブとその活動について聞いたことがありました。地域のために奉仕することにいつも喜びを感じていた私は、2017年にカトマンズ・サマクシ・ライオンズクラブが主催する医療キャンプに参加する機会を得ました。キャンプにはボランティアの医師として参加し、健康診断を担当しました。その2か月後にカトマンズ・サマクシ・ライオンズクラブのメンバーから、医師で構成されるスペシャルティクラブ結成の話を持ち掛けられ、その後何度か話し合いをした後、クラブの結成に至ったのです」と答えてくれました。

    ライオンの Upadhyaya医師は、医療教育、環境、および公衆衛生の分野の取り組みに携わる非政府組織ビーム・オブ・ホープ(Bean of Hope)の設立者兼会長でもあり、現在ネパールの遠隔地域での図書館の設立と植林に尽力しています。Upadhyaya医師は所属ライオンズクラブのメンバー達と共に、質の高い教育へのアクセスのなかった生徒のために図書館を開設しました。また、生徒達に気候変動や地球温暖化についても教えました。さらに彼のクラブは、銀行員で構成されるスペシャルティクラブとパートナーシップを組み、すべての銀行従業員に無料の医療ケアと医薬品を提供しました。本年度第1四半期にネパールで新たに設立されたクラブの実に63%がスペシャルティクラブなのです。新しいクラブが設立されるたびに新たな関係が構築され、その一つひとつの新しい関係から、新たに奉仕に加わる人々を呼び込める可能性が生まれています。
     銀行員のスペシャルティクラブと協同して、ナック刑務所の服役囚のための大規模な医療キャンプと献血プログラムを実施するネパールのカトマンズ・ドクターズ・ライオンズクラブ。

    銀行員のスペシャルティクラブと協同して、ナック刑務所の服役囚のための大規模な医療キャンプと献血プログラムを実施するネパールのカトマンズ・ドクターズ・ライオンズクラブ。

  3. 保健省とのパートナーシップ - 今年はじめ、ネパール325複合地区は保健・人口省のリーダーシップの下で結成された社会活動/ネットワーキング小委員会の一員として指名されました。

    ネパールのライオンズは、7月末にCOVID-19管理支援ウィークを企画し、サポートを提供しました。このイベントにはいくつかのクラブが協力して参加し、国営病院や医療従事者、警備関係者に個人用防護具(PPE)キット、マスク、消毒剤を大量に寄付しています。これらをライオンズが街頭で配布した際には、ライオンズクラブに関して質問をしたり、中には入会への興味を示す人も多くいました。

  4. パンデミックの中での奉仕 - 全国的なロックダウンのさなかでも、いくつものクラブが地元の自治体と連携して地域社会での奉仕活動を継続しました。ロックダウンが解除されると、奉仕の重点は高齢者施設や保育所、また緊急に支援を必要としている低所得者や失業者へと移されました。325-A1地区は、地元自治体と協力して70人を収容できる隔離センターを開設しました。

    また325-B2地区は、バラトプル新型コロナ専門(仮称)病院に自動消毒トンネルを設置しました。このトンネルは、毎日平均で5人の医師、35人のスタッフ、40人の患者が、病院構内に入る前に全身の除菌をするために利用しています。このトンネルがそこを通る人達に安全を提供するように、ネパール・ライオンズクラブはパンデミックの中にあっても、地域の人々が安全と安心を感じるために必要なあらゆる物を提供できるよう、日々その役割を果たすべく努めています。

  5. 計画を立てる - 素晴らしいことはすべて計画から始まります。ネパール・ライオンズクラブが2016年以来毎年100を超える新しいクラブをチャーターしている理由の一つは、この前もって計画を立てるということの成果なのです。地区大会が終わると(通常3月または4月)、地区ガバナーエレクトは7月に準備万端で新しい年度を迎え、目標に向かって結果を出せるように、計画の策定、地区の目標の設定、チームの結集といった任期の準備作業を開始します。

現在ネパール・ライオンズクラブはエネルギーに満ちあふれ、人々の暮らしにインパクトを与え、会員数を伸ばし続けています。そうした中、世界中のライオンズもまた、それぞれの地域社会のニーズに寄り添った活動を実施しています。世界的パンデミックの中でクラブがどのように奉仕活動を行っているかについて詳しく知りたい方は、 ライオンズ・グローバル・アクション・チーム・フェイスブックグループにぜひご加入ください。


Sunayna Mahtaniは、ライオンズクラブ国際協会ISAME & アフリカのグローバル・アクション・チームのフィールドスペシャリストです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界中の地域にさまざまな影響を与えています。私たちがどこにいても安全に奉仕できるようにするため、ライオンズは疾病管理センター、世界保健機関、または地方自治体のガイドラインに従う必要があります。あなたの地域で安全に奉仕するために役立つ情報ページ安全に奉仕するためにをご覧ください。