ラゴスの連邦医療センター(FMC:Federal Medical Center)は、小児がん治療においてはナイジェリア国内有数の病院です。そのためナイジェリア全土から患者の親や介護者が大勢、この病院で治療を受けるためにやってきます。患者が診断や治療を受けている間、親や介護者は結果が出るまで非常に長い時間をとにかく過ごさなくてはならない、ということがよくあります。それなのにラゴス近郊には宿泊施設も、ゆっくり待てる場所もなかなかありません。こうした事情について元地区ガバナー(PDG)のケマ・ベネディクタ・アシブオグウは次のように話します。「がんと診断された子どもたちの多くはラゴス州外から来ており、診断や治療の期間に付き添ってくれる親戚や友人がいません。がんの診断が下されて、手術すれば子どもを救うことができるにもかかわらず、親や介護者は、駐車場や廊下で何日も入浴せずに過ごすなど、不快な状況に直面することが珍しくないので、治療を断念し、病院を去ってしまう場合があります」。
私の願いは、がん患者となった子どもたちが一人でも多く一貫した治療によって命をつなぎ、患者と家族が将来への新たな希望を見出すことです。
この状況が続いていたために、回避可能だったにもかかわらず死亡する患者が非常に多く、404B1地区のライオンズはこの現状をすぐにでも変えたいと考えていました。そこでライオンズは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)から147,038ドルの小児がん交付金を得て、子どもたちとその家族が快適に過ごせるようなスイートルーム22室を備えた、介護者用の施設を新設しました。このセンター創設のきっかけとなったのは、ラゴス大学医学部小児科のエダミサン・O・テミエ教授からの要望です。あるときライオンズクラブがFMCを訪れ、元地区ガバナー(PDG)のアシブオグウがテミエ教授に、子どもたちが必要としているものの中で最も緊急度の高いものについて尋ねたところ、テミエ教授は、死亡率を下げるためには、介護者が付き添っている状況で子どもたちへの適切な治療とケアを進められる環境を確保する必要があるので、ついては介護者用の滞在施設が必要不可欠だ、と答えたのです。それを聞いたアシブオグウPDGは「私の願いは、がん患者となった子どもたちが一人でも多く一貫した治療によって命をつなぎ、患者と家族が将来への新たな希望を見出すことです」と語っています。
この滞在施設は、連邦政府が新設した腫瘍科化学療法棟に隣接しており、個室22室と子ども用のプレイルームがあります。個室には専用のベッド、バスルーム、キッチンがあり、患者とその家族に、快適にゆっくり過ごせる環境を提供します。このような介護者用の滞在施設は、地域で初めての例です。患者本人、その家族、友人、教育者など、毎月約180人が利用し、地域社会に大きな利益をもたらすことが期待されています。「FMCで介護者用の滞在施設を設立したことは高く評価されており、治療を受ける家族や子どもたちに多大な支援と安心を提供することになるとして、多くの人々がLCIFに感謝しています」と、アシブオグウPDGは話します。
この成果は、交付金で賄われる奉仕事業で、地域社会全体を良い方向に変えることができるという、新たな実例です。ライオンズとレオが思いやりをもって行動し続ける中、LCIFは有意義な交付金の機会を通じて彼らの努力を支援し、ライオンズが世界中で進めている奉仕の受益者の数を増やしていきます。
詳細はlionsclubs.org/GrantsToolkit でご確認ください。交付金の種類を確認し、あなたのクラブの次の事業に最も効果的な交付金を選択してください。
シェルビー・ワシントンは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のコンテンツスペシャリストです。