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反戦目的の新クラブを結成するドイツのライオンズ

ナタリア・ブローベル、フィリップ・ブローベル 2023 年 06 月 05 日

ドイツのアウグスブルクのライオンズクラブに所属している、ナタリア・ブローベルとフィリップ・ブローベルです。このたび、ライオンズが行っている重要な活動、特に困窮しているウクライナの人々を支援するための活動を紹介する機会をいただいたことを、大変光栄に思います。

助けを求めている人々に手を差し伸べるライオンズクラブ会員

ウクライナで続く紛争
ヨーロッパ大陸の戦争状態は、1年以上にわたって続いています。ライオンズとして、私たちは人道的な活動を通じてこの悲劇に立ち向かっています。私たちのプログラム「Help for Ukraine」では、ロシアによるウクライナへの本格的な侵攻開始からの1か月間に200人以上のウクライナ人を救出しました。さらには、宿泊施設の手配や生活の支援、連帯感を高めるための支援も行っています。さらに、私たちが所属するアウグスブルクのライオンズクラブでは、2つの大陸からの支援を受けて人道的使命をこれまでに10回果たし、医療支援と水インフラを中心に44万ユーロ相当の援助を行ってきました。

助けを求めている人々に手を差し伸べるライオンズクラブ会員

生活の再建
ウクライナから避難してきた人々にとって、生活の再建には物理的な資源にとどまらず、精神面のサポートと、避難先の地域社会の人々が避難民に寄り添う感覚が必要であることを私たちは理解しています。私たちは誇りを持って、仲間のライオンズや地元のウクライナ人コミュニティと助け合いながら、勇敢な避難民の人々のために、安全な避難所を作ることに取り組んでいます。

当時2歳の息子を連れて、キーウ郊外から命からがら避難してきた、アンジェリカという若い母親も、そんな勇敢な避難民の1人です。アンジェリカは着の身着のまま、息子を抱いて避難してきました。孤独と恐怖に怯え、運命と戦争の恐ろしさをいやというほど感じながら、彼女たちは私たちの町までたどり着いたのです。

アウグスブルクで、私たちは避難民の人々をお世話して、まず彼らにひとまず落ち着ける居住空間を用意し、さらにそれ以外のものもいろいろ提供しています。たとえば私たちは、先ほど紹介した年若いアンジェリカ母子がその心を癒すと同時に生活の再建を始められるよう、ライオンズの仲間や地域社会とも協力して、家族が一緒に生活できる環境を確保しました。また、避難民の人々の言葉を話し、文化を理解する人々を彼らに引き合わせ、当地での新たな生活に伴うであろう困難を乗り越えるためのサポートネットワークを作りました。

助けを求めている人々に手を差し伸べるライオンズクラブ会員

早期の復旧・復興
ウクライナ南東部、ヘルソン近郊のムィコラーイウという都市でも、私たちは早期復旧のための問題解決に目を向けています。現在、23万ユーロ以上を投じて、5月末の完了を目標に、同市の水インフラの復旧を進めています。これは、ライオンズクラブ国際財団の寛大な支援によってようやく実現できたことです。安全な水がすぐに利用できることは人々の健康と幸福に不可欠なので、その重要性は、いくら強調しても言い過ぎではありません。この重要なニーズに取り組むことにより、私たちは街の復興と明るい未来への道を切り開く手助けをしています。

助けを求めている人々に手を差し伸べるライオンズクラブ会員

より大きな貢献をするための努力
昨年11月、ロシア軍の占領解除からわずか11日後に、私たちはある人道的任務をヘルソン市で実施しました。戦争の悲惨な影響を目の当たりにして、砲撃を受けながらも、医療機器や水、食料を前線近くに住む市民に届けました。ロシア軍とはわずか400メートルしか離れておらず、私たちの1年間の人道的活動の中で最も危険な状況でした。悲しいことに、その日、へルソンで活動中に1人が命を落としました。

そこで私たちが出会った人々は精神的に不安定な上に、戦時下では衛生状態を保つのも困難なため、全員が異様な体臭を放っていました。このようなつらい体験をしたにもかかわらず、彼らの回復力と最後まで戦うという決意を目の当たりにした私たちは、この活動をさらに推し進め、活動の幅を広げようと思いました。

この任務の中で私たちは、やせ細り、目がくぼんだ青年に出会いました。彼は食料を求めて、辛抱強く列に並んでいたのです。私たちが用意した食料の最後の包みをある老婦人に渡したとき、その青年は、自分が受け取れるものは何もないのだと悟りました。彼は無表情のまま私を見て、「ありがとうございます」と静かに言い、頭を下げて立ち去りました。

この胸が張り裂けそうなヘルソンでの出来事は、戦争によって人はどれほどの損害を受けるのか、また、紛争によって打ち砕かれた日常生活を立て直すためには、誰かの思いやり、支援、献身が今すぐにでも必要であることを思い出させるものとして、心に深く刻み込まれています。運命を受け入れているようにも見えた、この青年の諦めの姿が、私たちの心に残りました。人道的な努力を続け、困っている人たちのためにもっと努力しようという気持ちを奮い立たせる原動力となることでしょう。

助けを求めている人々に手を差し伸べるライオンズクラブ会員

ライオンズの寛大さ
ウクライナでの人道的使命から私たちは、危機的状況における国際協力と連帯の重要性を学びました。10回の人道的使命の実践において、私たちは常に、結束と思いやりの力を証明してきました。私たちは、あらゆる階層の人々が集まり、助けを求めている人々に援助と支援の手を差し伸べているのを目の当たりにしました。

仲間のライオンズの寛大さと献身、そして私たちの取り組みに参加してくれた、数え切れないほどのボランティアや団体に、私たちは大変恐縮しています。私たちは皆で力を合わせて、紛争の影響を受けた何万人ものウクライナの人々の生き方を大きく変えてきたのです。

新しいライオンズクラブを結成
残念ながらこの紛争によって、ヨーロッパの平和がまだ当たり前だとは言えないことを、私たちは思い知らされました。そこで私たちは、国際理解と平和活動に重点を置く、新しいライオンズクラブを地元で結成する手続きを進めています。チャーターメンバーの中には、パキスタンの難民キャンプで生まれた人もいます。現在、その人は私たちの地元の病院で医師をしています。

どんな子どもにも、安全な環境、より良い未来を目指す機会、そして平和に暮らす権利が与えられるべきです。ライオンズ・インターナショナルは、その実現を支援するのに最適なボランティア団体です。私たちは政治的に中立で、200を超える国や地域で世界的に活動しています。優しさは肌の色、宗教、世界観を問いません。私たちは皆、人間であり、平等であり、子どもたちのためにより良い未来を築くことに関心があります。

私たちは、このグローバル・コミュニティの一員であることを誇りに思い、ウクライナで困窮している人々に寄り添い、彼らの復興と将来の繁栄のために尽くすという決意を持って、揺るぎない支援を今後も提供し続けます。ニーズのあるところに、ライオンズはいます。

助けを求めている人々に手を差し伸べるライオンズクラブ会員

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詳しい資料:

ウクライナにおける人道的危機への対応
LCIF交付金がライオンズのウクライナ難民を支援
新クラブの結成


ナタリア・ブローベルとフィリップ・ブローベルは、ドイツのアウグスブルク・エリアス・ホール・ライオンズクラブの会員です。