医療に関して、視力ケアの普及は見過ごされがちです。しかし、目覚ましい発展を続けているある町で、斬新な取り組みが進んでおり、状況は変わりつつあります。インドのムンバイ郊外にあるターネーは、ムンバイ都市圏で最も急速に成長している都市のひとつです。現在目の当たりにしている、そして今後も予想される町の発展により、質の高い眼科医療に対するニーズが高まっていると感じたインドのライオンズは、地域のニーズに対応するため、バクティ・ヴェダンタ病院(BVH)への投資を決断しました。
BVHはターネーにある総合病院で、白内障手術や各種検査など、さまざまな眼科医療サービスを提供しています。323-A3地区のライオンズは、眼科医療に対するニーズの高まりに直面したことから、白内障手術についてのBVHの能力を高めると同時に、ムンバイ地域内で眼科医療の提供範囲を拡大することが最善であると考えました。そこで、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)の視力ファースト交付金とアルナ・アブヘイ・オズワル・トラスト(AAOT)からの資金を活用して、BVHに2階建ての眼科病棟を新たに建設して充実した設備を整え、ライオンズ・ジュフ・アルナ・アブヘイ・オズワル・スーパースペシャルティ眼科医療センターと名付けて診療を開始しました。
現在のLCIF理事で元国際理事(PID)のアルナ・アブヘイ・オズワルは、これについて次のように話します。「目の健康は、個人の生活の質にとって重要な要素です。ただし残念なことに、眼科医療の機会が得にくい人々の場合、専門家の診察が受けられれば治療可能な症状であっても、視力低下の問題を改善できず、我慢しながら生活せざるを得ません。そのため、視力ファースト交付金が重要なのです」視力ファースト交付金は良質で費用対効果が高く、公平で持続可能な眼科医療事業を支援するものです。 インフラ整備、人材育成、眼科医療サービスの提供、目の健康に関する啓発事業に重点を置いています。
2022年5月の開院以来、この新しい病棟で外来診察を行い、1万8,000人以上に医療サービスを提供しています。また、3,200件以上の白内障症例を診断し、3,000件以上の白内障手術を成功させてきました。白内障の手術を行って視力が回復すると、その人の生活の質が大幅に向上します。健康な目の持ち主が当たり前のように行う、読書、車の運転、仕事、家族の顔を見ることなどが、同じようにできるようになります。さらにそれ以外の事業として、新しい病棟では糖尿病性網膜症、緑内障、未矯正の屈折異常(近視・乱視・斜視)の検査と治療も行っています。同医療センターはこのような必要不可欠なサービスを提供して、今後も地域住民の目の健康を総合的に向上させていくことでしょう。
視力を守るニーズに応えるための奉仕に継続的に取り組むため、事業委員会は、さらに多くの人々に眼科医療を提供することを目指し、地域内に4つの視力センターを設立することにも着手しました。「LCIF視力ファースト交付金は、ライオンズの影響力を拡大し、地域社会において重要な、眼科医療のニーズに対応するためにあるのです」とオズワルは話します。「こうして世界中で、私たちは何百万人もの人生を変えています。また、LCIFとアルナ・アブヘイ・オズワル・トラストのパートナーシップによって、視力を回復してバクティ・ヴェダンタ病院を退院できた人が何千人もいるというのは、LCIF寄付者として大変嬉しいです」
2014年以来、LCIFとAAOTはパートナーシップを結び、ライオンズに交付金を提供することを通じて、世界中の奉仕を支援するとともに、LCIFのさまざまな重点分野の人道奉仕事業を支援してきました。人々の気持ちがこもった寄付金により、ライオンズは支援を必要とする人々や地域社会への支援の輪を広げています。しかしオズワルは、先述のパートナーシップが締結される前から、LCIFの強力な支援者の一人でした。
人の優しさが奉仕のビジョンとうまくかみ合うと、眼科医療など、かつては見過ごされていた地域社会のニーズに取り組むことができ、ライオンズは一人ひとりの生活を大きく変える事業が継続できるのです。
視力ファースト交付金の詳細情報をご覧いただき、皆さんのお住まいの地域で活用できるかどうかを確認されるといいでしょう。
シェルビー・ワシントンは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のコンテンツスペシャリストです。