今、世界中のライオンズが思いやりで団結し、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)の支援のもと、深刻な状況にあるウクライナの難民を支援しています。
ひとりで出来ることはわずかでも、力を合わせればとても多くのことが出来るのです
ウクライナでは紛争が続いており、激しい戦闘や暴力から逃れるために数百万人が故郷を追われました。第二次世界大戦以降で最も急速に進んだ難民危機の一つとなっています。紛争が続く中、ウクライナを離れる家族の数は増え続けることが予想されます。
このような過酷な状況を受け、ライオンズとLCIFは、この人道的危機に際し、力を合わせて地域社会に奉仕しています。近隣諸国のライオンズは直ちにウクライナの難民や避難民の支援に乗り出し、トラック何台分にもなるほどの食料を調達し、難民を自宅に迎え入れました。またライオンズの中には、国境を越えてウクライナの人々に物資を届ける奉仕まで行っている人々がいます。食料や医薬品を届けていますが、その一方で男性、女性、子どもを国境から安全な場所に送り届けている人々もいます。世界中のライオンズが、ウクライナのために募金活動を行い、ケアパッケージを作成し、ビジル(祈りの集会)を開催しました。そんな中、ライオンズの奉仕をさらに拡大するために、ライオンズはLCIFにさらなる支援を求めました。
2022年3月末以降、LCIFはポーランド、ハンガリー、ルーマニア、オーストリア、スロバキア、アルメニア、リトアニア、フィンランド、トルコ、ブルガリアの各国で奉仕するライオンズに、国境を越えたウクライナ難民の支援として619,125ドル以上を交付しています。LCIFからの援助金で、8万1,000人を超える難民を救済できる見込みです。
国連のデータによると、ウクライナに依然とどまっている避難民は約650万人に上り、その人たちの深刻な事態に対応するため、LCIFはウクライナのライオンズにも援助金を交付しました。
LCIF理事長のジュンヨル・チョイは、次のように話します。「世界中のライオンズとレオが、ウクライナで続く紛争の影響を受けた人々に心を寄せ、悲しみ続けています。LCIFの各種交付金は、この非常に困難な時期に家を失った家族にライオンズが安全と安心を届けられるように、ライオンズを力づけるものです」
LCIFの援助交付金を得た世界中のライオンズが、この困難な時期にあって、難民にどのように希望をもたらしているかを以下で紹介します。
ウクライナ
LCIFは、ウクライナのライオンズに4件の援助金、総額9万5,000ドルを交付しました。この資金を活用し、ライオンズはウクライナのテルノピル孤児院にいる8~17歳の孤児220人のために食料品を購入しました。購入した食料品は缶詰、シリアル、パスタなどで、15人のライオンズが現地でこれを届けました。
ウクライナのライオンズはまた、キエフ全域で避難民のために食料、医薬品、衛生用品を配布し、2つの病院に2,100リットルの水を届けました。その上、彼らはキーウとチェルニヒウ全域で食料、医薬品、その他生活必需品を配布し、チェルニヒウ、ヴィーンヌィツャ、ウーマニ、 チェルカースィ、リヴィウの難民キャンプ、難民センター、病院に食料と医薬品を届ける予定です。
ポーランド
LCIFは、ポーランドのライオンズに4件の援助金、総額37万4125ドルを交付しました。10のライオンズクラブがポーランドの難民センターで食料と衛生用品の配布を担当します。またワルシャワのロホフ・コミューンの食料配給所に、大型冷蔵庫を4台購入する予定です。さらにライオンズは41か所の難民センターおよび学校11校と連携し、6,000人に1か月分の食料とトイレ用品を届けています。
ポーランドのライオンズは、15,000ドルの援助金の支援を受けて医薬品と包帯を準備し、医療スタッフが難民の救護を行っている国境地帯に届けました。
ポーランドのライオンズは、ウクライナのリヴィウの病院で爆撃の犠牲者に陰圧創傷治療を行うためのRENASYS TOUCH装置を20台購入しました。ポーランドのライオンズは、ポーランドでこの機器を購入し、「人道回廊」を利用してリヴィウに届けることを計画しています。
ポーランド・ライオンズはまた、現在プルシュチ・グダンスキの文化・スポーツセンターに開設されている難民歓迎センター用に、2か月分の食料と衛生用品を購入する予定です。同市に滞在している難民は、個人の家庭、ゲストルーム、施設などで寝泊まりしていますが、夕食は同センターでとっているためです。
アルメニア
LCIFはアルメニアのライオンズに15,000ドルを交付し、身の安全のためにアルメニアに渡ったウクライナ人の家族300世帯に食料と毛布を提供しています。
オーストリア
LCIFは、オーストリアのライオンズに1万5,000ドルの交付金を拠出し、ライオンズはオーストリア・ウィーンの難民1,000人に食料、医薬品、衣料、衛生用品、おむつを購入して配布しました。LCIFはさらに、15,000ドルの援助金を追加で交付しました。オーストリアのライオンズはこれを受けて、石けん、シャンプー、歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、毛布、フェイスマスクといった衛生用品の詰め合わせを1,500セット準備し、ライオンズのロゴが入ったキャンバス地のトートバッグに入れて届けました。
ブルガリア
援助金15,000ドルの支援を受けて、ブルガリアのライオンズは食料、毛布、衣類、衛生用品を梱包して、ルセ、プロヴディフ、スターラ・ザゴラ、ソフィア、ヴァルナ、ヴェリコ・タルノヴォの地域難民センターへ届ける予定です。
フィンランド
LCIFは、フィンランドのライオンズに15,000ドルの援助金を交付しました。 これを受けてライオンズは、衛生用品を含むケアパッケージを準備し、フィンランドのウーシマー地域の難民収容センターに避難している難民に配布しました。
ハンガリー
LCIFから援助金15,000ドルの支援を受けて、ハンガリーのライオンズはミネラルウォーター、サンドイッチ、清掃用品、衛生用品を購入し、救援パッケージキットを作って国境に届ける予定です。
リトアニア
援助金15,000ドルの支援を受けて、リトアニアのライオンズは食料品の詰め合わせ、おむつ、粉ミルク、衛生用品を購入し、難民センター、避難所、一般家庭に滞在している難民の家族300世帯に届けました。
ルーマニア
LCIFは、ルーマニアのライオンズに15,000ドルの援助金を交付しました。 これを受けてライオンズは、ルーマニアとウクライナの国境にあるシゲトゥ・マルマツィエイ市とサトゥ・マーレ市で寝袋、毛布、衛生用品を配布しました。
スロバキア共和国
LCIFから援助金15,000ドルの支援を受けて、スロバキアのライオンズは食料、衛生用品、毛布、生活必需品など必要とされている物品を購入し、ウクライナ難民に配布する予定です。
トルコ
LCIFから援助金15,000ドルの支援を受けて、トルコのライオンズはトルコのイスタンブールとその近郊に避難している約300人の難民に食料、衣類、衛生用品、必要な医薬品を届けます。
世界中から差し伸べられる救いの手
また、世界中のライオンズは、地域社会や世界中の難民を支援するために、LCIFの難民・避難民資金に寄付を行い、難民を支援しました。
たとえば米国アラバマ州のモールトン・ライオンズクラブは、ウクライナでの人道的活動を支援することを決議しましたが、より大きな影響を及ぼしたいと考えました。そこで同クラブは、ドライブスルー形式のフィッシュフライの店の収益をLCIFの難民・避難民資金に寄付することにしました。
「LCIFは世界中のライオンズと一体となって活動しています。まさにヘレンケラーの言葉通り、『一人で出来ることはわずかだが、力を合わせて出来ることはとても多い』のです」と語るのは、元国際理事でモールトン・ライオンズクラブの会員である、ジェローム・トンプソンです。
ウクライナを支援するため、世界中のクラブがLCIFに寄付金を送り、危機管理パッケージを用意し、ビジルを開催しました。北米の国際理事会は難民・避難民資金への資金獲得活動のために団結し、ライオンズ本部のスタッフはウクライナ難民のために食料品を寄付し、募金を集めました。
「ウクライナでの出来事について世界は大きな衝撃を受けた一方で、ウクライナの人々の勇気と不屈の力に心を動かされています」とダグラス X. アレキサンダー国際会長は話し、さらに次のように続けました。「私たちは、ライオンズとウクライナの人々を支持します。ライオンズは心から奉仕します。そして、今のように大きなニーズに直面したときにこそ、ライオンズの心が人々に伝わります」
ライオンズが力を合わせてLCIF難民・避難民資金へ寄付することで、とても多くのことが成し遂げられます。この資金は、ライオンズが現地の家族たちに寄り添い、彼らが今最も必要とする、安心と安全を届けるために役立てられます。
この取り組みに関する最新情報の詳細は、こちらからご覧ください: lionsclubs.org/ja/resources-for-members/resource-center/humanitarian-crisis-ukraine.
エリザベス・エドワーズは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のコンテンツスペシャリストです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界中の地域にさまざまな影響を与えています。私たちがどこにいても安全に奉仕できるようにするため、ライオンズは疾病管理センター、世界保健機関、または地方自治体のガイドラインに従う必要があります。あなたの地域で安全に奉仕するために役立つ情報ページ安全に奉仕するためにをご覧ください。