ギブソン小学校(Theodore R. and Thelma A. Gibson Charter School)で副校長を務めているジャマール・フェアリー氏は20年以上の経験を持つ熱心な教育者で、生徒たちの成功には質の高い視力ケアが不可欠であることを理解しています。
「子どもたちには教育の機会が与えられるべきです。眼が見えなければ学習は難しくなります」とフェアリー氏は主張します。
フェアリー氏は、世界で最も有名な学校単位の保健プログラムであるサイト・フォー・キッズ(Sight For Kids)の必要性を理解している、世界中の多くの校長や教育者の1人です。このプログラムは2002年にライオンズクラブ国際財団(LCIF)とジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョンが共同で創設しました。このプログラムは、すべての子供たちが質の高い眼科医療を平等に受けられるようにするための重要なツールを地域社会に提供するものです。
世界中の低所得地域の学校や医療サービスが行き届いていない地域において、ライオンズのボランティアや眼科医療従事者を動員し、子どもたちの視力検査から眼鏡の提供、さらには特別な治療の提供まで、眼の健康のための包括的なサービスを提供します。このプログラムを通じて支援を受けた子どもの数は、全世界で4,200万人以上になります。
フェアリー氏が勤務するギブソン小学校は、米国フロリダ州マイアミにある、授業料無料の公立学校で、幼稚園児から6年生までの子どもたちが通っています。市内でも特に、医療サービスが充実しているとは言えないオーバータウン地区にあります。同校では2021-2022年度にサイト・フォー・キッズ・プログラムが導入されました。
「サイト・フォー・キッズ・プログラムは、子どもたちに公平な競争の場を提供する機会となっています」と、フェアリー氏は話します。「視覚障がいを抱えている子もそうでない子も、読むこと、物を見ること、参加することについて、みんなが同じようにできる環境を整えることが不可欠です」
フェアリー氏が教育者として献身的に活動してきたことと、サイト・フォー・キッズ・プログラムの導入を決定したことにより、同校ではすでに成果が挙がっています。今年度、同校の総合評価はFランクからCランクへと、大幅に上昇しました。この評価はフロリダ州教育省が実施しており、学力テストの点数を標準化したうえでの比較、卒業率、学校が取得した教育関連の資格数などに基づいて行われます。
フェアリー氏は、眼鏡を贈られてから生活が大きく変わった子どもの例として、小学3年生のカテリンさんの話を紹介してくれました。眼鏡をかける前の彼女は、自分自身にも学力にも自信がなく、いつも引っ込み思案な様子だったそうです。授業中に上の空だったり、暴れたりすることもありました。ところが眼鏡をかけてから、成績と出席率が劇的に向上し、今では授業中に暴れることもなくなりました、とフェアリー氏は語ります。
「眼鏡を贈られた生徒が、仮に学校全体でたった1人だったとしても、その子のいる教室の全員が眼鏡の恩恵を受けることになります」と、同氏は説明します。
同校は来年、元プロバスケットボール選手のアロンゾ・モーニング氏がスポンサーとなって建設された真新しい施設に移転する予定なので、学校全体の成績が今年に続いてさらに向上することをフェアリー氏は期待しています。
「教育者として本当に良い仕事をしていれば、学校がおのずと評価されます。学校を預かる立場として私がいつも考えているのは表彰のことではなく、子どもたちを成功させるために何ができるかということです」と、同氏は話します。「決断を下すときはいつでも生徒を第一に考えています」
サイト・フォー・キッズ・プログラムをギブソン小学校に導入することについては即決だったと、フェアリー氏は振り返ります。
「サイト・フォー・キッズ・プログラムの検査用車両が当校に来てくれますので、生徒の視力検査や生徒への眼鏡の提供が学校ですぐにできます」と同氏は話します。「生徒にとって身近な学校という場で、包括的なサービスを簡単に提供していただけることがとてもありがたいです。ニーズを素早く解決できるということが、生徒たちにとっては非常に重要です」
地元のライオンズと眼科医が検診の実施に協力しているので、地域社会が一体となって地域の生徒たちを支援することにもつながっている、と同氏は説明します。
「地元のライオンズと眼科医は、愛情あふれる素晴らしい環境を作ってくれている上に、生徒たちに模範を示してくれます」
本稿は、サイト・フォー・キッズ・プログラムの20周年を記念し、同プログラムを通して世界中で物がはっきり見える人を増やすことに貢献している人たちに焦点を当てる目的で継続中の「視力を守る人々」(The Meet the Vision Champions)シリーズの中の一編です。
エリザベス・エドワーズは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のコンテンツスペシャリストです。
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