海岸に生息する樹木を育てることがスリナムの救済につながる
南米北東部の海岸に位置するスリナムは南アメリカ大陸で最も小さな国ですが、現地のライオンズは、気候変動との闘いの中で大きな役割を果たしてきました。
マングローブの木を植えることで、栄養豊富な土が海水によって洗い流されてしまうのを防ぐことができます
マングローブの自然林の消失は、スリナムの泥地の海岸線の侵食を招いています。アマゾン川の河口から流されてくる沈泥に支えられ、この土地は消滅するのではなく、大きくなるはずです。しかし、東西の海岸地帯を結ぶ高速道路を建設するために1960年代に作られた堤防が、淡水と海水が混じり合う湿地帯を一直線に断ち切ってしまいました。スィートウォターと呼ばれる、この混合水があるところに、マングローブが生息しています。沈泥を固める木の根がないと、肥沃な土の多くが洗い流されてしまいます。
地球上で最も重要で生産的な生態系の一つである健全なマングローブは、海岸地域への持続可能な生活の提供を可能にするだけでなく、自然災害から海岸線を守り、マングローブ・アクションプロジェクトによれば、他のどの種類の森林よりも1ヘクタール当たりで炭素を多く取り込む力があるとのことです。
パラマリボ・セントラル・ライオンズクラブは、2015年以来、水門学者S. ナイポール教授の指導の下、スリナムのアントン・デ・コム大学のマングローブ事業を支援してきました。
「海岸線の浸食は農地にも害を及ぼしています」とクラブ委員長のグレン・テワリさんは書いています。「マングローブの木を植えることで、栄養豊富な土が海水によって洗い流されてしまうのを防ぐことができます」スリナムの住民たちは、食物を生産するために農業に利用する肥沃な土を頼みとしていますが、浸食による恒常的な洪水が農作を困難にしています。
ナイポール教授は、海岸線を救い、それによってスリナムに暮らす農家の人々の生活の手段と、彼らに依存する不安定な生態系を保護する取り組みを続けてきました。そして、ライオンズが支援に乗り出したのです。人間社会の発展によって引き起こされた損害を修復するというナイポール教授の救援への取り組みには、マングローブが根付くために十分な泥があるよう沈泥が流されないようにするために、泥水の中に足場を組むことも含まれています。新しく植えられたマングローブがしっかり根付くと、それらは土が海水に洗い流されるのを防ぎます。
マングローブは特別な温室で、海岸沿いで採集された種から育てられます。準備が整うと、苗木は波から守るために添え木を当てて泥の中に植えられます。
ライオンズは、作業現場に向かうための足場を組むために必要な耐水性のある特殊な種類の木材を寄付しました。また、苗木を育てる温室を建ててマングローブの植えつけを支援するための木材も寄付しました。「私たちは、自然とともに、自然のために活動しています」テワリさんは書いています。「その木材は、海岸平野の自然を回復し保護することに役立てるために内陸地域から来たものです」クラブは、彼らの取り組みが、海岸沿いの汽水域に生息するフラミンゴやショウジョウトキのような絶滅危惧種の鳥たちにより良い保護を提供できることを願っています。
海岸線が安定すれば、再び土地を耕せるようになり、スリナムの人々はより頼りになる食料源を利用できるようになります。
パラマリボ・セントラルのライオンズがその事業を引き受けてきたのは、彼らが、健全な海岸線が彼らの地域社会にとっていかに大切であるかを知っているためです。スリナムの人口の90パーセント以上が海岸沿いに住んでいます。彼らは適切に植え替えを行うために、アントン・デ・コム大学の他にも、木材伐採業者を始めとする地元の多くの組織と協力してきました。
「唯一のノウハウは、土壌を救うために必要なインフラを構築することにあります」とテワリさんは言います。「あとは自然がしてくれます」
パラマリボ・セントラル・ライオンズクラブは、2021年度「思いやりは大切なこと」奉仕アワードを受賞したクラブの一つです。その他のストーリーや全受賞クラブの一覧については、lionsclubs.org/KMSA をご覧ください。
エリン・キャスディンはライオン誌の上級編集者です。
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