LCIFとUNODCがモンテネグロでのライオンズクエストを拡大実施
アリエル・ディクソン
2018年10月、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)と国連薬物犯罪事務所(UNODC)はモンテネグロ教育省と協力して、ライオンズクエストの「Skills for Adolescence」(思春期に対応)プログラムの実施地域を拡大し、モンテネグロの沿岸地域の小学校11校を新たにプログラムの対象に加えました。この拡大のプロセスは、同省が指名した教師、教育学者、心理学者など23人の教育者向けの研修の立案から始まりました。専門性の高いこの能力育成ワークショップでは、教師たちが、各自が勤務する学校でプログラムを実施することを目指し、その準備として、関連する指導技術を習得しました。
現時点で、ライオンズクエストの授業を受けた子どもたちの割合は、モンテネグロの全学童の20%に達しています。
ライオンズクエストは、ライオンズクラブ国際財団が所有し運営する、証拠に基づいた介入プログラムです。これは、薬物乱用防止につながる行動がとれるようにするための基礎として、生徒たちに心理社会的能力を身に着けさせる方法論的アプローチに基づいています。
モンテネグロでは2015年に、17の中学校の1,475人の生徒を対象として試験的に、ライオンズクエストが初めて行われました。初回の試験的実施の良好な結果を受けて、2018年に行われた拡大事業には、コトル、ビエラ、バール、ティヴァト、ウルシン、ブドヴァ、ヘルツェグ・ノヴィ、プルカンの各都市の中学校も加えられました。このサイクルでLCIFとUNODCは、教師たちが単に1年間ではなく2年間にわたってさまざまなスタイルで実施したプログラムの有効性について、調査を進めているところです。その成果は、ベストプラクティスを全世界にさらに広げることを見据えて、体系的に測定される予定です。
事業の一環として、研修を受講した教育者はフォローアップ研修を受け、LCIFとUNODCは、この事業に関するデータと評価の収集を続けます。教育者たちにとってこうした研修は、心理社会的学習(SEL)に関連する課題や、現代の若者が直面している、ソーシャルメディアなどの時流に沿ったトピックについて話し合う機会となっています。次回のフォローアップセッションは2020年4月に予定されており、現在のプログラム実施サイクルは2020年6月に終了します。詳細については、このプログラムについて取り上げたUNODCのウェブサイト:「UNODCとLCIF、学校を基盤とする防止戦略を通して薬物需要削減を推進(www.unodc.org/southeasterneurope、ミロス・ストヤノヴィッチとダイアン・サハキアンによる記事)」をご覧ください。
LCIFとUNODCは、南東ヨーロッパでのライオンズクエスト実施における協力関係を2014年に開始しました。ライオンズクエストは、これまでにボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、北マケドニア、モンテネグロ、セルビアの5か国で実施されました。現時点で、ライオンズクエストの授業を受けた子どもたちの割合は、モンテネグロの全学童の20%に達しています。
アリエル・ディクソンはライオンズクラブ国際財団のライオンズクエストプログラム地域スペシャリストで、アフリカ、ヨーロッパ、中東、南アジアを担当しています。