絶望から希望へ
ライオンズとカーター・センターのパートナーシップの成果として、世界保健機関(WHO)はアメリカ大陸の4カ国(コロンビア、エクアドル、メキシコ、グアテマラ)で河川盲目症が根絶されたことを確認しました。スーダン、ウガンダ、ナイジェリア、エチオピアの主要地域では河川盲目症の感染が止まり、集団投薬も停止されました。これに加えて、トラコーマの患者数が世界で最も多いことで知られるエチオピアのアムハラ地域では、感染予防のための集団投薬を必要としなくなった人が500万人を超え、手術の順番を待つ人の数も年を追うごとに激減しています。ライオンズとカーター・センター のパートナーシップとライオンズの支援により、数百万人もの人々がこれらの疾患から解放されました。LCIFの早期からの投資と、各国のライオンズクラブの継続的な支援とアドボカシーがなければ、これほどまでの成果を挙げることはできなかったでしょう。世界保健総会が決議WHA 47.32を採択してオンコセルカ症の集団投薬を呼びかけたのは1994年、決議WHA 51.11によって公衆衛生問題としてのトラコーマの世界的根絶を目標に掲げたのは1998年のことでした。
深刻な視力の危機
河川盲目症とトラコーマは完全に予防可能な疾患であるにも関わらず、世界保健機関が推定する数字は以下のように厳しいものとなっています。*
- 河川盲目症の感染者数は2,090万人、 寄生虫による失明者数は115万人。
- 河川盲目症患者の99% はアフリカに暮らし、イエメンと中南米(ブラジルおよびベネズエラ)にも存在。
- 1億4,200万人がトラコーマによる失明の危機に瀕しており、失明してしまえば回復は不可能。
- トラコーマは44カ国(主にアフリカ)における公衆衛生問題。
- トラコーマによる失明者または視力障害者数は約190万人。
- トラコーマは完全に予防できる疾患。
*出典:https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/onchocerciasis
地域社会への働きかけ
現地のライオンズクラブは地域社会を動かし、投薬、まぶた手術キャンペーン、公衆トイレの設置に参加させようと取り組んでいます。ライオンズは技術支援を継続し、プログラムの進捗を監視し、各国で影響力を持つリーダーと面会することで、人々が河川盲目症とトラコーマに警戒し続けるよう働きかけています。
貴重なパートナー
LCIFは1994年からカーター・センターと提携し、河川盲目症とトラコーマの根絶に尽力してきました。LCIFは20年余りにわたり、カーター・センターによる河川盲目症とトラコーマ対策への60件以上の交付金を承認し、その総額は7,200万ドルを超えています。ライオンズ-カーター・センター視力ファースト・プログラムは、以下のように目覚ましい成果を上げてきました。
- 河川盲目症の根絶に向けて2億3,270万回を超える投薬を実施
- トラコーマによる失明を防ぐために2億0,400万回を超える投薬を実施
- 進行したトラコーマから視力を回復させる955,000件余りの手術を遂行
- トラコーマの感染を抑えるために320万余りの公衆トイレを設置
河川盲目症とトラコーマを根絶するという共通の目標は、協力を続けることで必ず達成できると、私たちは確信しています。
私たちの焦点
- 施設拡大、機材供与、人材育成による包括的な眼科医療施設とシステムの構築・強化に向けて、世界を導いていきます。
- 世界で失明や視力障害の主原因となっている感染症、オンコセルカ症(「河川盲目症」)とトラコーマの根絶を目指す各国の取り組みを、ボランティアの研修と監督、アドボカシー、手術、適切な薬剤の配布を通じて支援していきます。
- 世界の先頭に立って未矯正の屈折異常の問題に対応し、質の高い持続的で効果の大きい処置を提供する事業を支援していきます。
- 成人と児童を対象にライオンズが主導する総合眼科検診プログラムを拡充していきます。